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喪われた記憶
第27章 蘇った記憶





そしてその泡を背中につけられ


そのはずみに紫苑の指が触れた。




「…………っ」


『痛い…か?』


「ぃ……違うよ…大丈夫」





ぎゅっと足に爪を立てる。


バカか私は……


紫苑はただ洗ってくれているだけなのに


一人で勝手に………




そう思っている間に


泡は体中を包んでいった。





『…こ…月琴』


「……………!」


『…大丈夫…じゃないんじゃねえの…』


「えっ…違うよ……ほんとに…考え事」


『ふ〜ん…何考えてたの?』


「……っ…!」




何って………




『…俺に…言えないようなこと……?』









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