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喪われた記憶
第5章 6年前







―――転校?








「…い、今…転校って言ったか?」






『は…はい…。』






「どこへ!?」






『…私達もそこまでは。家の事情って言ってましたから。』









―――キーンコーンカーンコーン……





予鈴がなって、俺は正気に戻った。



「…そ、そうか。済まなかった、大声出してしまって…」



そそくさと教室へ帰った。




でも心のモヤは晴れない。





転校なんて……あいつ、そんなの一言も…。















この時の俺は何も知らなかった…



月琴が追い詰められていたことに…



本当に…何も……………



















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