この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
喪われた記憶
第9章 同棲宣言
「…え」
『君が俺だと分かっているものと思ってあんなことして…怖い思いをさせてしまったよね。』
「あ…。」
そんなことないとは言えなかった。
実際私はそういう思いをするようなことを強いられたのだから。
「…人違いってことはないんですか。」
そう聞くと。
『それだけは絶対ないね。
俺が君を間違えるわけないさ。
ね?…清白月琴ちゃん。』
「…!」
どうして知ってるの?
『…どうしてって顔してるね。』
「…あなたは誰なんですか。
私を知っているのはなぜなんですか?」
少し黙ってから…口を開いた。
『…信じてくれないかもしれないけど。
それでも聞きたい?』
「…はい。」
私はしっかりと頷いた。