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喪われた記憶
第9章 同棲宣言



「…え」



『君が俺だと分かっているものと思ってあんなことして…怖い思いをさせてしまったよね。』



「あ…。」



そんなことないとは言えなかった。


実際私はそういう思いをするようなことを強いられたのだから。


「…人違いってことはないんですか。」



そう聞くと。



『それだけは絶対ないね。

俺が君を間違えるわけないさ。

ね?…清白月琴ちゃん。』



「…!」



どうして知ってるの?



『…どうしてって顔してるね。』



「…あなたは誰なんですか。

私を知っているのはなぜなんですか?」



少し黙ってから…口を開いた。



『…信じてくれないかもしれないけど。

それでも聞きたい?』



「…はい。」



私はしっかりと頷いた。








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