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キミといる場所
第9章 女子会

「お前…誰と試合してきたんだ?」
相田の冗談に返す言葉も思い付かず、設計データを渡す。
「壮絶だな」
泣き腫らした顔が相当ひどいことは覚悟していたけれど、
鏡に映った私はまさに、
壮絶な、
土偶だった。
ひー…。
明け方になっても、
cocoliの店先には長谷川くんの自転車が停まったままだった。
それを見て、泣いた。
泣きすぎて喉が渇いて、
長谷川くんが置いていってくれた
ヘーゼルナッツカプチーノを飲んだら
すっかり冷たくなっていて、
また泣けてきた。
もうなんにも失いたくない。
だから私は頑張る。
たとえ土偶であろうとも、
今日の仕事をきっちりやろう。
私の様子に恐れをなした花穂ちゃんが、
当たらず触らずでいてくれたのが助かった。
退社時刻になり、ぐったりと帰宅すると、
買い物袋を下げた貴子さんが待っていた。
「ハルにおうちの場所聞いたから、待ち伏せ」
女子会しましょ、と袋を持ち上げるしぐさが
長谷川くんにそっくりで、
たぶん私は泣き笑いの顔をしていたと思う。
相田の冗談に返す言葉も思い付かず、設計データを渡す。
「壮絶だな」
泣き腫らした顔が相当ひどいことは覚悟していたけれど、
鏡に映った私はまさに、
壮絶な、
土偶だった。
ひー…。
明け方になっても、
cocoliの店先には長谷川くんの自転車が停まったままだった。
それを見て、泣いた。
泣きすぎて喉が渇いて、
長谷川くんが置いていってくれた
ヘーゼルナッツカプチーノを飲んだら
すっかり冷たくなっていて、
また泣けてきた。
もうなんにも失いたくない。
だから私は頑張る。
たとえ土偶であろうとも、
今日の仕事をきっちりやろう。
私の様子に恐れをなした花穂ちゃんが、
当たらず触らずでいてくれたのが助かった。
退社時刻になり、ぐったりと帰宅すると、
買い物袋を下げた貴子さんが待っていた。
「ハルにおうちの場所聞いたから、待ち伏せ」
女子会しましょ、と袋を持ち上げるしぐさが
長谷川くんにそっくりで、
たぶん私は泣き笑いの顔をしていたと思う。

