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第1章 幸せなひととき

「……海斗っ。」

あたしは海斗を見上げる。


「莉愛菜の、綺麗な白い肌に傷がつくのは許せない。」

とても真面目な声色で言うから、あたしは思わず笑ってしまった。

すると途端に不機嫌な顔をする。

「なぜ笑う。」

とても訝しげな表情だ。

「なんだかあたし、大怪我したみたい。」

あたしが笑いながら言うと

「大怪我なんかさせない。
俺がいる限り、莉愛菜は俺が守るからな。」

海斗はこんな事を恥ずかしげもなくさらりと言ってのける。


その度にあたしは顔を赤くする。


それでもとても嬉しい。

想われてるってわかるから。

海斗の言葉に嬉しくなって、あたしも海斗の気持ちに精一杯答えようと思う。

「ありがとうっ」

あたしが満面の笑みで答えると、少し驚いたような顔をした海斗

「戻るぞ」

そう言って歩き出した海斗の耳が少しだけ赤いような気がしたけど、あたしは黙っててあげるんだ。