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溺れる恋は藁をも掴む
第13章 恋の天気模様
アイスティーを飲みながら、
食後のタバコを吹かすマドカ。

「今回の合コン収穫は、
華と朋美に勝算ありって感じかな」

「朋美はともかく、
私はただ妹さんのプレゼント選びにお付き合いするだけだし…」

「それは口実、立派なチャンス。
弱気にならずに、たまにはチャンスに挑みなさいって!」

「うん…」

何度もそう思ったよ。
巡り巡ったチャンスだって。


「華、
プラスの法則って知ってる?」

「プラスの法則?」

「うん」

「なんだろ?」

「マイナスに考えているとさ、
マイナスのまんまに事が運ぶらしい。
逆にプラスに考えると、
上手くいきやすいんだって」

「へぇー」

「華のデートは上手くいく。
黒崎君と仲良くなれるって思わないとね」

「うん…
やるだけやってみる」

「やるだけやってダメなら、
また、姫に合コンをセッティングして貰えばいい」

「マドカ…」

「引き立て役に呼ばれてるんじゃなく、
チャンスを運んできてくれる人を、有効に活用して何が悪い?」

マドカは小悪魔のように微笑む。

さっきまで優奈の事を散々言っておきながら、
その理屈は合わない気がするけど、
そこが面白いんだよね。

もてない女はどんなチャンスだって、
藁を掴む気持ちで挑む。
余裕な気持ちで合コンをするモテ女とは、
思考回路が違うのだ。


私も笑う。


笑ってしまえば、
性格の悪さも隠れてゆくような気がした。


「あはは」

こんな時は、笑うに限る。

モテない女のランチタイムは、
こうして毒を吐きながらも、ケースバイケースを考えながら、恋を成就させる作戦を密かに練っていたりもする。
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