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溺れる恋は藁をも掴む
第2章 初めての夜
終わっ後にアキが言ったんだ。

「華でちゃんとイケただろ?」

「うん」

「なら、自信持て。
華の身体は何にも問題ない。
気持ち良くて、
こんな事したい。
あんな事したい。
そう思える身体だよ」


「有難う。
アキ。
上手く言えないけど、
気持ち良かった。
私‥‥ずっと‥‥自分じゃあダメなんだって‥‥
私の身体に問題があって、
それで萎えちゃうんだって‥‥‥
私‥‥ずっと‥‥それが‥‥辛くて‥‥
私が女でいる事を否定されたみたいで‥‥」


嬉しくて、
頬に涙が伝う。

私は泣いていた。
アキが隣に居るベッドの中で。


「泣くなよ‼︎」
アキは私を自分の腕の中に抱き寄せる。


「辛かったの分かる。
逆の立場だったらって考えてみたら、

辛いよな。
気持ちいいって声も上げてくれない女。
ただそのまま横になって裸になってるだけで、
アソコも濡れない。
しまいには拒否されるようになる。
一緒に居るのに触れ合えない。

堪えるよ‥‥
俺も‥‥
多分、そんな気持ちになるんだろうな」



私はこの言葉に救われたんだ。
悩んでいた事が嘘みたいに。




私はアキと、
最高の理解者となる。




アキとセックスしていたいから。
この時間だけは、男と女で居られるから。

愛や恋を求めたら、
もっと寂しくなるから。

求めていいのはセックスだけ。



それでいいの?

何度も私は自分に問う。

いいの。

嘘つきでいいの。
それでも掴みたい想いもある。
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