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溺れる恋は藁をも掴む
第4章 心の景色
親父が居ない時の母さんは、
リラックスしていた。

それにうんと俺や柊を甘やかした。

基本、親父の休みは土日。
営業職になってからは、
土日関係なく、
取引先の依頼があれば、
出掛けるようになった。

大抵、夕方まで帰ってこない。

そんな時、

「あっくん、お昼にしゅうちゃん散歩させながら、
ハンバーガー食べよう」
と言う。



家計のやりくりをしながら、
そんな時間を母さんは作ってくれた。


ファーストフードで、
好きなハンバーガーのセットを頼み、
ベビーカーで眠る柊を傍に置いて、
母さんと食べるハンバーガーは美味かった。


俺の友達の話や幼稚園での話、
好きな遊びなどを母さんに話した。
母さんは、「うんうん」と相槌を打ちながら、
笑顔で聞いてる。


こんな時間が幸せに思えた。


「お父さんには内緒ね。
お父さん、ファーストフード嫌いでしょ?
ママは時々食べたくなるの」

そう言って、
ハンバーガーを食べる母さんは幸せそうな顔をしていた。


俺が高校の時に、ファーストフードでバイトしたのは、
ファーストフード嫌いな親父への反抗心からなのか?


その頃の厳しい環境の中での優しい思い出が、
そうさせたのか?


いや、
ただ単に金欲しさで働いていたのかもしれない。


でも一つだけ言えるのは、

そんな時間が、
やつれた母さんに優しい笑顔を戻してくれていたんだ。

バイトしながらも、
その頃の事はよく思い出した。
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