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大きな瞳に映るのは
第16章 アパート
キキッ ーーー
遙は自転車を止め鍵を開ける
ガチャ
「 … お邪魔します。」
一週間ぶりに感じる遙の家の匂い。
『 風呂、行く? 』
「 いい? 」
遙も少し緊張しているのか、
いつにもまして口数が少ない。
『 寝巻、そっから持ってって 』
そう言うと洋服棚を指差す。
人を泊めるのに、ここまで適当な扱いをする人は
そうそういないだろうなぁ、と思ってしまう。
遙らしいと言えばらしいのかもしれない。
ガタッ
言われた通り棚から前回使わせてもらったものと同じ服を取り出した。
『 なんかあったら呼んで 』
そう言うと遙はソファに腰掛け録画した映画を見始めた。
「 … ん 」
そう返事をして、私は浴室に向かった。