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大きな瞳に映るのは
第7章 ホテル
― 生徒会室 ―
各生徒会メンバーが音夢のために
自己紹介を終えたところだった。
『 どーせ遙たち、
まーたラブホでも行ってるんでしょー 』
突然いつものノリで夕が
からかう様に口を開く。
「 らっ… ラブホッ …!! 」
思わず目を見開いて夕のことを見る。
その様子を見ていた奏が吹き出す。
『 ぷふっ … 木下さん顔が赤いですよ。 』
「 ひっ … だってそんな …!! 」
いきなりそんな話をされては
想像してしまう。
メンバーのおかげか音夢は
少し胸がチクリとした事に気づかなかった。
『 そんなことより木下、
生徒会入るの?入らないの? 』
「 あっ … そうだ、その話を … 」
『 入りますよね? 』
ニコリと微笑んだ奏が強引に言葉を入れる。
「 え … いや、でも … 」
『 入りますよね? 』
再び笑顔のまま奏が言う。
たまに見せる笑顔は反則だって …
なんて思ってしまう。
「 あの、奏先輩 … 」
『 入りますよね? 』
なんだこの強引さは。
半分呆れながら私はコクリと頷いた。
『 おっしゃー!
いよいよ生徒会にも華が!!!!!! 』
いきなり夕が叫びだす。
『 夕先輩煩いです。
少し黙っててください。 』
書記の蒼真はせっせこと何かを書いている。
「 あのでも私何をするんですか…? 」
『 そうですね …
木下さんには会計をお願いしたいです。 』
思わず苦笑いになる。
会計… 数字… もっとも苦手分野だ。
「 あ … 私数字とか …
苦手なんですけど … 」
『 大丈夫ですよ。
俺が一から教えますから。 』
こちらを見て再び奏は微笑む。
格好のいい人はずるいなぁ、なんて思う。
『 おっしゃーーー!!
今までにも増してやる気がーーー!!! 』
『 だから煩いですよ夕先輩。
外でやってきてください。 』
『 なんだよー!奏二号め!! 』
『 だからその呼び方やめてくださいって。 』
夕と蒼真のやりとりを見ていると
だんだん不安が解けた。
生徒会に飛び入りしようと
なんとか平凡な生活ができそうだ。
そんな風に思いながら
夕日に染まる窓の外を見た。