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大きな瞳に映るのは
第9章 自由奔放

「 びっ… くりしたぁ… 」
いきなりのことに心臓がバクバクする。
そりゃいきなり腕をつかまれ引っ張られたら驚きもする。
『 ふっ 』
おかしそうに笑うと遙は窓際にあるピアノ椅子を指差した。
『 座って。』
「 あっ… はい… 」
緊張でドギマギしてしまう。
言われた通りピアノ椅子に腰かける。
ギシ … ガタン
遙は隣に椅子をもう一つ用意し腰かけた。
『 俺、人見知りなんだよね 』
「 え… そんな風には見えないですけど… 」
校内ですれ違う時、大抵遙は友達と楽しそうに喋っていた。
『 一度仲良くなれば別 』
「 へぇ… 」
緊張しすぎて愛想よく対応できない。調子が狂うというやつだ。
『 何度も声を掛けようとしたんだけど無理だった 』
あぁ、だからやたらと目があってたのか、
なるほどな、と理解した。
『 だから夕に電話かけてもらったんだけど 』
「 あー。そうだったんですね 」
『 なんか冷たくね? 』
「 いや、緊張しちゃって … 」
『 ほ…? 』
ほ? ってなんだ、ほ?って。
女子かよ、って言いたくなってしまう。
遙はきょとんとして目を見開いている。
本当に大きな瞳だな、と見とれる。
『 まぁ、仲良くしようぜ?
俺 木下音夢と 仲良くしたいの 』
愛嬌のいい人という感じか、でもたまにそっけないところがある。
「 が、がんばりますね。 」
あまりにもぐいぐい来るので思わず苦笑いになる。
何を考えているのか全く理解できない。

