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手探りな絶望
第6章 溺愛
冬実に
キスをしたのは
その翌週だった
休みの日に
2人で映画をみて
俺は
いつものように
冬実をアパートまで
車で送り届けた
冬実は
すぐに車から
降りようとしたけど
俺が
冬実の手を握ったんだ
帰したく…なくて
もっと…一緒にいたくて…。
「周平さん?」
俺のしようとしてることが
分かってるのか
いないのか…
いや多分
分かってるけど
分からなふりを
してるんだと
思う
「ごめん
もうちょっと
一緒にいたい」
「……うん…」
「冬実…」
「…?」
「ごめん、うそ。」
「え?」
「いや、一緒にいたいのは
嘘じゃない
ほんとは
キスしようとした」
俺は
冬実の答えなんて
聞かないで
冬実の手を引き
優しく
頬に触れた
冬実は
ただ黙ったまま
目を閉じて
少し…俺の方に顔を向けた
俺は
冬実の
柔らかな頬から
耳をかすめるように
髪に触れ
少し
冬実を引き寄せ
優しく
そっと
キスをした
唇をはなすと
小さな声で
「好きだよ」
と囁き
冬実を
解放した