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手探りな絶望
第8章 懇願
冬実が泣きやみ
やっと落ち着いたころ

俺の部屋の時計は
もう10時を過ぎていた



できればまだ
このまま一緒にいたいと
思ったけど

さすがに
ヤルような雰囲気じゃ
なかった



金出してやるから
やろうぜ


みたいで。



もちろん
そんな気持ちは
一ミリだって
一ミクロンだって
ないけど。




「冬実」


どうする?


「・・・」



どうしたい?



「もう遅いけど・・」




決めてくれないかな・・




「・・うん・・」





一緒に・・いたい?





一緒にいたいなんて

冬実が言うわけ…ないよな



俺は
冬実からの
言葉を待つのをやめた



「送るよ、もう遅…」



「もうちょっとだけ」





「え?」







「もうちょっと・・


ここに

居てもいい?」





そんな言葉を聞いたのは
はじめてだった


やばい


俺、ちょっと泣きそう



でも
すげーうれしく

ほんと
めっちゃくちゃ
うれしくて




「いいに決まってるじゃないか

ずっと居てもいいよ
朝までだっていてもいいし
泊まってってもいいし
もうずっとずっと
いてもいいし
帰らなくても・・


あ(笑)

ごめん
うれしくて
変なこと言ってる(笑)」



はしゃいでしまった



「ううん

こんな私に
そんなこと言ってくれて
ありがとう


あの…周平さん」





「・・ん?」





「優しくて・・

・・・・好き・・」





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