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手探りな絶望
第2章 派遣
「おぉ?どーした藤沢
そんな大きな声出して」


近くを歩いていた
大先輩の柴田さんが
俺に声をかけた


「あ、いや
すみません
なんでも無いんです(苦笑)

ちょっと思い出したことあって…」




「なんでもねーなら
いいけどな

おう、明日は休みだなぁ
ちょっと飲みに行くか?」




「はい!

あ、いや…」




「ん?なんか用でもあるのか?」




「あ…はい…

すみません
また、誘って下さい」




「はいよ〜」



そう言って
いつものように
目尻にシワを寄せ
柴田さんは
俺とは反対方向に歩いていった



柴田さんは
俺が入社したころから
俺の面倒を
とにかくよくみてくれる

俺が
この会社で一番頼りにしてる
先輩だ


そんな柴田さんの
飲みの誘いを
断りたくなかったが


派遣の佐々木さんが
あの女かもしれないと
気付いた俺は


もう

いてもたっても
いられなくなっていた





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