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手探りな絶望
第10章 絶望
珍しく
黙りこくった寺田に
俺は
佐々木冬実との再会から
今朝までの話をした
寺田は
冬実のことを
隠してた俺を
責めるわけでもなく
金を渡したことを
馬鹿な奴だと
笑うわけでもなく
ただ
眉間にシワを寄せて
黙って聞いてくれた
「それで
あのコンビニに走ったんだよ
冬実に…会えるかと
思って…」
「会えたのか?」
「…いや…」
「……」
「けど…
とんでもねぇ人に会った」
「誰だよ」
「柴田さんだ」
「柴田さんって…
おんなじ会社の
あの柴田さんか?」
俺は
とにかく柴田さんに
よくしてもらってたから
寺田にも柴田さんの話は
よくしていた
「あぁ…。
冬実の車を
見つけたんだ
コンビニの駐車場で
でも、あとちょっとのとこで
車、出ちまって
その時運転席に座ってたのが
柴田さんだったんだ
しかも
冬実とおんなじ
赤い携帯で
誰かと電話してた」
「どーゆーことだよ…それ…」
「わかんねーんだよ
…俺にも…」
黙りこくった寺田に
俺は
佐々木冬実との再会から
今朝までの話をした
寺田は
冬実のことを
隠してた俺を
責めるわけでもなく
金を渡したことを
馬鹿な奴だと
笑うわけでもなく
ただ
眉間にシワを寄せて
黙って聞いてくれた
「それで
あのコンビニに走ったんだよ
冬実に…会えるかと
思って…」
「会えたのか?」
「…いや…」
「……」
「けど…
とんでもねぇ人に会った」
「誰だよ」
「柴田さんだ」
「柴田さんって…
おんなじ会社の
あの柴田さんか?」
俺は
とにかく柴田さんに
よくしてもらってたから
寺田にも柴田さんの話は
よくしていた
「あぁ…。
冬実の車を
見つけたんだ
コンビニの駐車場で
でも、あとちょっとのとこで
車、出ちまって
その時運転席に座ってたのが
柴田さんだったんだ
しかも
冬実とおんなじ
赤い携帯で
誰かと電話してた」
「どーゆーことだよ…それ…」
「わかんねーんだよ
…俺にも…」