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手探りな絶望
第11章 千夏
「なぁ、周平
柴田さんはどこの人なんだ?」
周平は
あんなに
柴田さんとつるんでたんだ
色んなことを知ってるはず
佐々木冬実のことは
何も分かんなくて
どーしよーもねぇけど
柴田さんなら
なんとか
探せるんじゃねぇかと
俺は思っていた
「確か…千葉って言ってた」
「え?千葉って
俺達と同じじゃねーか」
「あぁ
俺のこと色々世話してくれた
きっかけは
多分…千葉出身だったからだったと思う」
「千葉のどこだよ」
「それは
分かんねぇ
そーゆーの柴田さん
話したがらなかったんだ」
「独身か?」
「バツイチ」
「ふ〜ん…千葉ね…」
「なんだよ」
「会社の人事とかさ
友達いねーの?お前」
「…いなくねーけど
そこまでやるか?」
「冬実に
会えなくてもいいなら
かまわねーけど?」
「……」
「柴田さん
このまま多分
会社辞めるだろ
そしたら
千葉に帰ると思わないか?」
「…思う」
「…佐々木冬実も」
「…うん」