この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
手探りな絶望
第14章 周平
シカトしてると
また
寺田から
メールが届いた
『8時半に迎えに行くから』
あいつ…。
転校して
寺田とは離れ離れになったけど
あいつとは
ずっと連絡を取り合っていたんだ
偶然
お互いの大学が近くになり
俺たちは
また連むようになっていた
それから
大学を卒業しても
2人とも大学の近くに
そのまま就職したんだ
『いかねー』
久々に
返信をすると
寺田から
電話がかかってきた
「おぅ
久しぶりだなぁ周平」
「まぁな」
「明日、わかったな?」
「お前、頭悪いのか?
いかねーって返信しただろーが」
「うるさい
担いでも連れてってやる
わかったな!」
「ほっとけ」
「ほっとかねぇ」
「ほっとけよ!」
「ほっとけるかよ!!」
「・・・・」
「ほっとかねーんだよ
俺は
お前が来るなと言っても
行くんだよ
聞くなと言っても
聞くんだよ
分かんだろ
俺の気持ち」
「・・・・
・・ごめん」