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手探りな絶望
第16章 別離
メールが
冬実からだと分かると
突然心臓が飛び跳ね
俺の血圧が上がった気がした
何が書いてあるのか
猛烈に不安で
寺田に声をかけようとしたけど
あいつ、イビキかいて
豪快に寝ていて
俺はひとり
ちょっと
震えてる指で
メールをひらいた
『せっかく
会いにきてもらったのに
あまり話もせず
すみませんでした
心の整理がついていなくて
うまく言葉にできませんでした
ごめんなさい
私の母は
今日会った病院に
入院しています
お見舞いに行った時
母は、一度でいいから
周平さんと話がしてみたいと
言っていました
以前、周平さんと
話しがしたくて
周平さんを探したけど
見つからなかったそうです
もしよければ
母と一度
会っていただけないでしょうか
冬実』