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兄の狂気
第3章 誘 惑
その相手が、哲平くんだったなら。
「…、」
カップルらしい行動をする相手が、
哲平くんだったなら…
「…っ」
いいなぁ…
哲平くんを見つめながら、
哲平くんとカップルらしい行動をしてる
自分を想像してると。
「…っ、なんちゅー顔してんですか、瞳さん…」
「…、へ…?」
哲平くんが真っ赤な顔を片手で隠して
あたしから目を逸らす。
「…何なんですか。可愛すぎですよ」
ボソ、と呟かれた言葉にあたしの顔も赤くなる。
そんなあたしを見た哲平くんは。
あたしを壁に追いやって、壁に手をついた。
「そんな顔してたら。
…期待しちゃいますよ?俺…」
至近距離で囁くように言われ、
ドキドキしてキュッと唇を噛む。
期待?
期待…
…い、いいよ。
期待して、いいよ…?
ちろ、と哲平くんを上目遣いで見上げて、
そっと逸らす。
すると、腕を曲げてあたしを閉じ込めてた
哲平くんは、壁に肘をついて更に密着してきて。
唇を、吐息が当たるくらい近くまで近付けてきた。
「…キス、しちゃいますよ。瞳さん…」
その言葉にあたしが反応する前に、
「…っん」
あたしの唇は奪われていた。