この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
兄の狂気
第2章 嫉 妬
朝起きて、すぐに感じた身体の痛みに苦笑い。
いたたたた…
身体の節々が痛くて怠くて動けないや。
しばらくベッドの上で身体を休め、ゆっくりと起こす。
べったりとこびりついた
お腹を始め至るところに出されたモノを少し眺め、
スタンドに置かれたティッシュ箱に手を伸ばし
数枚取り出して拭き取った。
乱れたシーツをかき集め、脱ぎ捨てられた
衣服や下着も拾ってカゴの中に入れ、
ゆっくりと歩いてお兄ちゃんの部屋を出る。
リビングの扉を素通りしてお風呂場へ向かい
洗濯機の蓋を開けてカゴをひっくり返し、
洗剤をきっちりすりきり1杯。
もう、日常だ。
身体の痛みや怠さはいまだに慣れないけど、
朝起きてからの行動は慣れちゃったな。
そして朝起きて、日常な事がもう1つ。
あたしが起きる頃にはいつも、
隣にお兄ちゃんはいない。
なぜなら…
「瞳おはよう。朝ご飯出来てるよ」
「おはよ…。いつもありがとう」
早く起きてあたしの分まで
朝ご飯を作ってくれてるから。
ベビードールのみを羽織った格好で
そろりと壁を伝ってリビングに入り、
一旦ソファに腰掛ける。
まだ眠りの世界から抜けれてない頭で
ぼんやりしてると、お兄ちゃんが嬉しそうに笑う。
「壁伝ってじゃないと歩けないくらい激しかった?」
意地悪な笑顔を見上げ、頬を膨らませた。
こんな意地悪な言葉もたまに投げ掛けられる。
まぁ、事実だから何も言えない…
実際今、地に足付いてない感じでふわふわしてる。
まだ異物感もする…
相変わらず座ったままぼんやりしてるあたしを
しばらく見つめてたお兄ちゃんは、
やがてにんまりと笑い、あたしの方に歩いてきた。
…へ、
目の前にきたお兄ちゃんについ怯えると、
ぺろりと唇を舐めたお兄ちゃん。
「…ふ、何怯えてんの?何もしないよ」
「…っ」
…嘘つき。
お兄ちゃんが
「何もしない」
って言う時は、必ず…