この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
兄の狂気
第4章 交 差
思わずはい、と言いかけて、
扉を閉めようとした瞳さんの腕を慌てて掴む。
「待っ…、ダメです。
ありがたい、ですけど…先に瞳さん入ってください」
何で、というように首を傾げた瞳さん。
「女の子が身体冷やしちゃダメですよ。
ほら、先どうぞ。…何なら一緒に入ります?」
俺の最後の言葉に顔を赤くした瞳さん。
だから…可愛すぎです。
しばらく譲り合いが続き、ようやく折れてくれた瞳さんが
頬を膨らませて俺を見上げる。
「早めに上がるね」
「ダメです。
俺のことはいいから…ちゃんと温まってきてください」
「…むぅ」
「ちゃんと温まって来ないと、一緒に入って
湯船の中で温まるまで抱き締めますよ?」
からの抱いちゃいますよ?
「…う、」
顔を赤くして固まった瞳さんの頭を撫で、
扉を閉めて壁に寄りかかり、…慌てて身体を離した。
俺ん家じゃねぇんだった…
「…っ、はぁ…」
中にいる瞳さんに気付かれないように息を吐いて、
意味もなく髪をタオルでわしゃわしゃと拭く。
瞳さんまじ…可愛すぎ。
俺の好みドストライク…もうどうしよう。
付き合いたいほんと付き合いたい。
俺だけのものにしたい…
どうしたら俺だけのものになる…?
どうしたら…