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- RyuKa -(心をあげる リライト)
第14章 あなたに届け
「舞香……コイツだな。コイツが琉迦を……」
「あなたは動かないで」
舞香が俺に命令する。
社長が片方の眉を跳ね上げた。
「おや、随分と人間らしく振る舞うのね」
「……これはただの人形です」
「そう? もしかして心が」
「心なんてありません! 心は……心は創れない。もう、どんなにしても……琉迦の心は戻って来ない」
俺には「思い出」がないから。
舞香と二人で過ごした大切な時間がないから。
俺にある「思い出」はたった一週間だけの、二人で過ごした幸せな生活だけ。