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- RyuKa -(心をあげる リライト)
第14章 あなたに届け
「さ、おとなしくなさい……舞香主席研究員。あなたの心も消してあげる。3つも試作品が手に入るなんて……素敵ね!」
「いいえ、手になんか入らないわ」
「アナタに何ができるの?」
「こっちこそ消してあげる……」
舞香が俺を振り返る。
何をするつもりだ……? くそっ……体が動かない。
「消してあげる。社長、貴女ごと何もかも!」
「なっ……」
舞香が社長に飛びかかった。
社長を掴み、引きずり、そのままの勢いで窓へと突進する。
夜なら見事な夜景が楽しめそうな巨大な窓ガラスへ。
「何するの! やめなさいっ!」
「さよなら……琉迦。さよなら、私の愛した人。あなたの愛した世界……」
「マイ……カ……」
舞香……舞香、駄目だやめろ……舞香……舞香……!
俺を置いて行くな……あ、ああ、あああ……これが舞香の心……突き刺すような……何に刺さっている。これは、このゾッとするような痛みは! 俺は……俺はちっとも舞香のことをわかっちゃいなかった。
俺は……俺は……舞香……! やめてくれ!
花瓶が割れたときと同じ音がした。