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- RyuKa -(心をあげる リライト)
第15章 そして僕らは
「琉迦が……?」
僕らが腰掛けているベンチの後ろの方から駆けて来た子供たちが、そのまま真っ直ぐに公園の中央の小高い丘へと、口々に歓声を上げながら走ってゆく。
「どういうこと……」
待たせたって言ったろう?
9 年かかったのさ……舞香の心の移し替えに。
「9年……後の……世界……?」
「ああ、そうだ。畜生、俺の専門は全然違うんだぞ! 9 年もかかっちまった。でも……おかげでアイツが一番お前に見せたかった光景を……」
はしゃぐ子供たちの声が青空に吸い込まれていく。
あとから……あとから……。
公園を囲む森の向こうの都市は、もう白一色ではない。