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夢想姫の逃避録
第3章 大輪の花
「緋奈。緋奈起きてー!ほら!起きろー!朝ご飯作るからー!」
声に反応して、目を開けた。
隣には声の主、ユウガがいた。
あれ?もう作ってくれたのかな?
でもこれから作るとか言ってる……どういうこと……?
「あれ……もう朝ごはんできたの……?」
起き上がって眠い目をこすりながら聴いた。
「は?何言ってんだ?これから作るんだけど……?」
眉間にシワを寄せて不思議そうに緋奈を見下ろした。
「え、だって、ユウガ……緋奈にエッチな事して……それですぐに朝ごはん作るから待っててーって行っちゃったよね…?」
「何言ってんだ?緋奈ずっとここで寝てたぞ?ってか!! エッチな事とか何言ってんだよ!? 俺がいきなりそんなことするわけないだろ!! 夢でも見たんじゃないか?」
顔を赤くしながらユウガはそう言った。
夢の中で夢を見るとか可笑しな話。でもそれ以上に、よく考えるとユウガが緋奈を助けてすぐにエッチな事をするって行為自体も、可笑しな話だと思う。
しかも、ワンピースは薄桃色じゃなくて別の白いワンピースを着ていた。
「たしかに、寝てるとき緋奈が隣でずっと小さく俺の名前呼びながら喘いでいたからまさかとは思ってたけどな(笑)」
今にも吹き出しそうにしている。酷い!! こっちは大真面目にエッチな事に応えていたのに……
顔から火が出そうな程恥ずかしかった。
「う……う……ごめんなさい……」
赤くなった顔を見られたくなくて、どんな顔すればいかわからなくて、正座して顔は俯いたまま謝った。