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緊縛
第12章 短編 緊縛12
 無理やり引っ張りだされた舌が痛い。

 思わず、引っ込めようとすると、さらに舌を引っ張りだされる。

 味わうように動く舌が、知らない男性なら、とても堪えられないほどに執拗だ。

 淫らというよりも欲情にそまった舌の動き。

 私はついに堪え切れず、顔を背けると、店長は髪を掴んだ。

「舌をだせよ」

 私は目をそらし、顔を背けようとする。

 男の欲望に本当に晒されている気がしてくる。

 いやらしい。

 そう言ってやりたい。

 なんども髪を強く掴まれたが、男の欲望を満足させるだけの、いやらしいだけの舌使いには、とても堪えられない。

 先ほどまで優しかった店長とは思えないほどに、男の欲望を突きつけてくる。

「やめて」

 無理やりショーツの中に手が入ってきた。

 あれだけ私を疼かせたとは思えないほどの淫らな指先が、私を疼かせて仕方ないところを痛めつけるように動いた。

 ぐっと、くちびるを噛みしめ、堪えていたが、あまりの痛みに私は「やめて、痛い」と言った。

 また髪を掴まれた。

「舌をだせよ」

 本当にレイプされている気にさえなる。

「嫌よ。縄を解いて」

 ぐっと髪を掴まれて、顔が仰け反った。

 あの、いやらしいだけの男性の願望を満たすだけの舌使いなんていらない。

「やめて」

 無理やりショーツの中に、また手が入ってくると、こんどはさらに堪えらない痛みで、疼いて仕方がなかったところを甚振るように動かしてきた。
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