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eyes to me~ 私を見て
第48章 鮮烈なデビュー①
若い女性だらけの観覧席の後ろ、ペコと堺は本番を見ていた。
堺は、美名が登場した瞬間や、よろけた場面、真理に支えて貰いはにかんだ表情等を撮影出来ない事をしきりに悔しがっている。
「ああ……素晴らしい決定的瞬間を僕が撮れないなんて……無念……です……くうっ!」
今にハンカチを出して口の端で恨めしそうにくわえるのではないか?と思う程に残念そうにしている堺の肩をペコが慰める様に叩いた。
「まあまあ……今日は無理だけど……
プリキーが活動していく限り、これから幾らでも素敵な写真を撮れるわよ……」
「……幾らでもっ?」
潤んだ子犬の様な目をペコに向ける。
「そうよ!……そうね、良い考えだわ……プリキーの写真集……なんてどうかしら?」
「――そ、それはグッドアイデアです!」
思わず声を高くしてしまった堺の口をペコは手で塞いで、にんまり笑った。
「ふふふ……楽しい事はこれから沢山あるわよ?ねえ堺ちゃん?」