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eyes to me~ 私を見て
第48章 鮮烈なデビュー①
「西野未菜……あんの小娘!」
控え室でモニターで見ていた志村は立ち上がる。
観覧席のペコは眉をひそめた。
「……美名ちゃんの声の状態を知っててよくもまあ……」
「美名さんにプレッシャーを与えようとしてるんですね!?
ああ……大丈夫だろうか……」
堺は狼狽える。
真理と由清は、真ん中に座る美名の手を握りしめた。
美名が二人を交互に見ると、真理も由清も大丈夫、とでも言いたげに笑っている。
(真理くん……由清くん……)
急に不安に襲われていた美名だったが、両手から二人の思いが伝わる様な気がして来た。
目を閉じて、西野の事を頭から追い出すかのように意識を集中する。
今、西野が歌っている所だ。
しかし、敢えて美名は聴かない、見ない事にした。
感覚をシャットダウンして、自分達の曲の世界で頭の中を埋め尽くして行った。
――大丈夫、大丈夫。
”恋するcherry soda”は、三広や亮介、メンバーと作った素晴らしい曲……
自分もメンバーも、沢山の練習をして来た。
何も心配する事は無い……