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eyes to me~ 私を見て
第50章 歌姫降臨



 出演者達までもが立ち上がり拍手と声援を送る中、西野は一人顔を強ばらせていた。

(……何よ……皆して……あんなの……ただ物珍しくてウケてるだけじゃない!)

 歯を食い縛った時、カメラが向けられているのに気が付くとハッとして笑顔を作り手拍子をした。
 その頃、翔大もマンションの明かりを消した部屋でテレビを見つめていた。
 光り輝いている自分のかつての恋人に、心からの祝福を言いたかった。
 だが、身勝手な欲望で美名を踏みにじり、その笑顔にヒビを入れてしまったのは他ならぬ自分だ。

(もう、俺には美名に何も言う資格はない――)

 溜め息をついてビールを煽った時、スマホが鳴った。

「もしもし……ああ、大室さんですか……はい……ええ。
 例の話……受けさせて頂きます」

 翔大の目は、遠い何処かを見据えていたが、強い光を放っていた。



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