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eyes to me~ 私を見て
第54章 擦れ違う恋人たち

「美名ちゃん、大丈夫?」
由清はへたり込んだままの美名に声をかけた。美名は僅かに笑って立とうとしたがよろけてしまい、それを素早く真理が支える。
「大丈夫かよ……会見の時には転ぶなよ?」
「う……うん」
「……っ」
そのやり取りを見た綾波は無意識に拳を固めていた。
智也がにこやかに笑い綾波の肩を叩く。
「そんな険しい顔をしてどうした、綾波」
「……智也」
智也は肩を竦めると、はまじろうにまた耳打ちして、志村の側へ行く。
「志村さん……ちょっと向こうで……いいですか?」
「あらっ!なにかしら?愛の告白~?……だったら良いなって思ったのよ!冗談よ~オホホホホ」
志村は智也の肩を叩いて朗らかに笑い、美名を見た。
「美名ちゃん、軽くメイク直した方がいいかもね……」
「彼が出来ますから、大丈夫ですよ」
智也は、いつの間にメイクボックスを持ち待機しているはまじろうを見た。

