この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~ 私を見て
第54章 擦れ違う恋人たち

『……真理に乗り換えるつもりなら……それはそれで構わん。勝手にしろ……』
「……どう……して?」
美名は思わず呟いた。
――あんなに熱く愛しておいて、何故またそんな酷い事を言うの?
美名の背中を切ない思いで見つめていた綾波は、志村や智也と視線が合うと頷き、静かな足取りで控え室を出た。
「――あ、綾波さん!」
「あらっ!」
記者会見の雛壇から真正面の席を陣取って居た堺とペコが気付いて手を上げると、綾波は微笑して頭を下げた。
堺がカメラをセットしながら楽しそうに叫ぶ。
「今日もバッチリ美しく美名さんを撮りますからね?楽しみにしててくださいよ!」
綾波は、ふと足を止めて控え室の方を見つめてから、堺とペコに向き直り、深々とお辞儀をして、颯爽とした足取りで会場から去って行った。
「ああ――!人気アニメタイアップとはまじろうとのコラボ!プリキーのこれからが楽しみよね――!」
はしゃぐペコだったが、堺は何故か違和感と胸騒ぎを覚えて、その場から離れ走り出した。
「堺ちゃん?」
驚いたペコの声を背に、会場の扉を開けて階段を駆け降りる。
「綾波さん――!」
綾波の姿はもう何処にも無かった。
「……どう……して?」
美名は思わず呟いた。
――あんなに熱く愛しておいて、何故またそんな酷い事を言うの?
美名の背中を切ない思いで見つめていた綾波は、志村や智也と視線が合うと頷き、静かな足取りで控え室を出た。
「――あ、綾波さん!」
「あらっ!」
記者会見の雛壇から真正面の席を陣取って居た堺とペコが気付いて手を上げると、綾波は微笑して頭を下げた。
堺がカメラをセットしながら楽しそうに叫ぶ。
「今日もバッチリ美しく美名さんを撮りますからね?楽しみにしててくださいよ!」
綾波は、ふと足を止めて控え室の方を見つめてから、堺とペコに向き直り、深々とお辞儀をして、颯爽とした足取りで会場から去って行った。
「ああ――!人気アニメタイアップとはまじろうとのコラボ!プリキーのこれからが楽しみよね――!」
はしゃぐペコだったが、堺は何故か違和感と胸騒ぎを覚えて、その場から離れ走り出した。
「堺ちゃん?」
驚いたペコの声を背に、会場の扉を開けて階段を駆け降りる。
「綾波さん――!」
綾波の姿はもう何処にも無かった。

