この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~ 私を見て
第55章 独りぼっちの歌姫

あと少しで何かが完全に近い形で掴める様な気がする。美名は、そこで最大の疑問をぶつけてみた。
「あ、あの……違っていたらごめんなさい……
剛さんは……どうして……時にワザと酷い事を言ったりして……まるで……嫌われるのを望んでるみたいな、振る舞いをするのか……
何故、そんな事をするのかなって……昔から、そうなんですか?」
菊野が息を呑むのがわかった。
『まあ……剛さん……美名さんに、そんな事を?ごめんなさいね……』
「い、いえ、いいんです……ただ、何だか凄く引っ掛かって……」
『剛さんは……ああ見えて、自分に自信がないのよ』
「えっ……ええええ!?あれで――!?
……て、ごめんなさい……」
時に無茶苦茶な、自分流の理屈を語る綾波のドヤ顔を思い浮かべ、すっとん狂に叫んでしまうが、慌てて口をつぐんだ。

