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eyes to me~ 私を見て
第56章 さよなら、私の

その頃、西野未菜は、自宅マンションのリビングでシャンパンを煽り、志村の予想通りマネージャーの増本に当たり散らしていた。
ソファに深く腰掛けて白い脚を組み、優雅な手つきでグラスを傾けて傍で忠犬の如く佇む増本にニヤリと笑う。
「増ちゃんも、一緒にどう?」
増本は長身に似合わない丸っこい顔でニッコリと笑いやんわりと断った。
「私は、仕事中ですから……」
未菜は、テレビでは見せた事の無い不機嫌な表情をする。
「ふんっ……あんたって……いつもそうね!
仕事も何も……撮影が無くなったから今日はもうオフみたいな物じゃないのよ!」
「いえ……私は未菜さんの側に付いている事が仕事ですから」
増本は優しげな、しかし感情の読み取れない眼差しを彼女に向けた。

