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eyes to me~ 私を見て
第58章 歌姫を見守る獣

「美名ちゃん、来てくれてありがとう!」
「こちらこそ、お招きにあずかりまして……っ」
美名は、西野に手を握られて、緊張からへどもどする。
「あはは!そんな風に緊張しないでよ!仕事とは関係ないんだから、気楽にね?」
西野はウィンクしてみせて、美名を座る様に促す。
「増ちゃん、シェフに食前酒から持ってくるように言って?」
西野が甘える口調で言うと、増本はキッチンへ入って行く。
美名はテーブルのナフキンを膝に掛けながら店のスタッフと気さくに話す増本を見た。
「……お店の人達と、仲良しなんですね……それに、他のお客さんは?」
「うん。増ちゃんのお友達がやってるお店なのよ。今夜は私達だけよ?
だから人目も気にせずざっくばらんに色んなお話しましょ~」
品の良い物腰のシェフがボトルを持って来て、黄金色に輝くワインをグラスに注いだ。
美名は軽く頭を下げる。

