この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~ 私を見て
第60章 歌姫の覚悟

応接は、どんよりと重い空気に包まれていた。
堺はここぞとばかりに癒し系の笑顔を振り撒き紅茶を配る。
「あら、ごめんなさいね~お世話をかけて……
まさか、こんな事になって撮影出来なくなるなんて……申し訳なかったわ……」
志村は溜め息を吐いて俯いた。
「謝らないで下さい!今日は楽しく仕事が出来ましたし、それで良しとしましょう!アハハハ」
堺が無理矢理笑い声を上げる。
皆一様に顔をひきつらせた。
「堺ちゃん、見事にスベッたわね」
ペコが苦笑する。
ずっと黙っていた真理が、口を開いた。
「なあ……これ……どういう事なんだよ」
握りしめていた新聞をテーブルの上に広げ拳を叩きつける。
「こんな……俺達の事……ある事ない事おもしろおかしく書きやがって――!
何処のどいつかわかったらぶっ飛ばしてやらあ!」

