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第61章 プリキー大作戦

　二人が手にしているのは、一週間後、日比谷野外音楽堂で行われるプリキーのフリーライヴのポスターだ。
　騒動から一ヶ月半、プリキーは針のむしろに座らされていた。
　今までの好感度が高かっただけに、記事とのギャップに戸惑い怒るファンも多い。
　ネットには美名の悪口やら、からかいの言葉が溢れかえっていた。
　それに対してプリキー側は、オフィシャルサイトで謝罪とライヴの告知をした。

『先日刊行されたスポーツ紙に掲載された記事の件で、応援して下さっているファンの皆様や関係者の皆様には多大なるご心配とご迷惑をお掛けしています。
　突然あの様な写真や記事が世の中に出回ってしまい、不快に思われた方もいらっしゃったかでしょう。
　記事の内容に関して、今しばらくは会見等を開く予定はありません。
　私たちはミュージシャンです。
　精一杯の音楽を皆様にお届けして行く事が、私たちに出来る最善の仕事だと思っています。
　会見を行うよりも、私たちの音楽を聴いて、感じて欲しいのです。
　11月１日に、日比谷野外音楽堂でフリーライヴを開催します。
　今回、入場料はお取り致しません。
　ただ、どうしても皆様のご協力が必要なのです。
　ライヴのお手伝いをして下さる方、ライヴの宣伝にご協力して下さる方を募集したいと思います。
　勝手なお願いなのは重々承知しています。
　見に来ていただいた方にも、お手伝いをしてくださった方にも、最高の思い出になるライヴをお約束します。』