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第65章 castle in the air

｢お姉ちゃん……｣

｢お姉さ――ん！｣

　

　桃子とマイカは、美名を包むように抱き締めて頭を撫でた。

｢ふあ――……良かった｣

　三広も、安堵して力が抜け、椅子にへたり込む。

｢ヒヤヒヤさせるよな～全く……｣

　亮介は頭を掻いて苦笑した。

｢西野未菜は怪我をしてるんだろ？大丈夫なのか｣

　祐樹が眉間に皺を寄せて難しい顔をすると、髑髏川と瞬が頷く。

｢早く手当てした方がいいね｣

｢いつまでこの状態が続くんだろう……｣

　豚彦が時計を見て呟いた。

　暗黒は、真っ黒に塗られた顔をテレビに向けて拳を強く握る。

｢駄目だよ……未菜ちゃん。何があったのか分からないけど……

バカな事したら、駄目だよ……｣

｢フレー！フレー！ア・二・キ――！……ぐぎゃ｣

｢いい加減にしなさい――！｣

　まだ暑苦しくコールをする健人の頭をマイカが拳でぶん殴った。