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第66章 eyes　tｏ　me～私を見て

『……コール……アンコール……』



　聞こえてくるアンコールの叫びに、佐藤は目を細めた。



｢貴方を呼んでいる沢山の人達が向こうに居ます……

図々しいお願いですが……ステージで、歌っていただけませんか……？｣



　佐藤は、綾波に抱き締められたままの美名に頭を下げた。



｢は……はい！もちろん……！｣

｢大丈夫なのか、美名｣



　ようやく綾波は美名を離す。

　美名は、喉に軽く触れて、ハミングした。

　鳥のさえずりの様な軽やかな声が響き、皆は思わず聞き惚れる。



｢うん、大丈夫。歌って来ます……長くみんなをお待たせしちゃって……

急がなきゃ……あっ｣



　美名は、立ち上がり歩こうとしたが、足に力が入らずへたりこんだ。