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eyes to me~ 私を見て
第36章 silent wolfが牙を剥く

「はあ~とにかく納まるべき処に納まって良かった!……今日は練習を早めに切り上げてお祝いしましょ~!」
志村は浮き浮きと身体を揺らし、リズミカルな旋律を奏でた。
「……曲の仕上げ作業とかやる事が沢山あるんじゃないですか?」
綾波が眉を寄せる。
志村は人指し指を立ててヒラヒラ振ってウィンクした。
「チッチッチ!私を誰だと思ってるの?志村賢一よ!
曲ならアレンジメントまで出来てるわよ!
あとはスタジオでプリキーの皆で一発録りして完成!」
「い、一発録り?」
志村の目が鷹の様に鋭く煌めいた。
「プリキーの皆なら、出来るわよ!
デビューまで時間もないし、一発録りする位の覚悟でやりましょ?」
とんでもない無茶ぶりをサラッと言われて美名は戸惑ったが、確かに時間が無い。
プロとして音楽をやって行くなら、プロデューサーの要求に応えて当然なのだ……
「は……ハイッ!やってみせます!」
「いい返事だわ。その意気で明日は録音よ!
……という訳で、今日はパーッとやって鋭気を養いましょう!」
その時、美名のスマホから例の着信音が最大音量で鳴り響いた。
『ママー!電話だよー!ママー!電話だよー!』

