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eyes to me~ 私を見て
第42章 愛欲の塔で
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「――!?美名……?」
綾波が警備員からようやく解放されてエレベーターに乗り込んだ時、耳にその叫びが届いた。
聞こえたというよりは、虫の報せに近いかも知れない。
(美名に危機が迫っている――!?)
綾波は歯軋りをした。
桃子とマイカ、三広は綾波のマンションで待機して、綾波と真理、由清と堺は翔大の所へとタクシーで向かった。
ホテルの玄関口で、タクシーが走り去るのを聖恵と庄森が見送った。
「どうすんだよ……これから」
庄森はドレッドヘアーを風に揺らし、聖恵の小さな背中に聞いた。
「もう……おしまいね……私……」
小さな横顔に涙が光った。