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eyes to me~ 私を見て
第42章 愛欲の塔で
爆発してしまいそうになるのを、唇を噛み締めて堪える。
「うっ……くっ」
天を仰ぎ、深呼吸をしてから美名に視線を戻した。
――今まで何度も自分の物にしようとして来た。
けれど、美名に泣かれて、それ以上続ける事が出来ずに、でも心も身体も激しく美名を求め続けて……
諦められずに、色んな手を使って美名を落とそうとした。
怖い思いをさせて、其処につけこめば美名は自分の所へ戻ってくるのではないか、と画策した。
聖恵まで利用して……
脳裏に、別れ際の泣きそうな顔が浮かび、僅かに口の中が苦くなる。
……ここまでして、俺は……美名……お前が欲しかった……
「ん……ん」
美名が僅かに動いたが、まだ起きる気配はない。