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eyes to me~ 私を見て
第42章 愛欲の塔で
「桃子ちゃん……」
志村が頭をそっと撫でると、桃子は堰を切った様に泣き出した。
「私……私が……気付いてればこんな……事にっ……うええ……」
「それを言うなら私だってえ……うっ……」
マイカまで泣く。
二人が泣き出し、看護婦は困り果ててしまった。
「あ……あの……もう夜中ですし……もう少しお静かに」
「そうね、ごめんなさいね……」
志村が二人を抱き締めながら看護婦にお辞儀する。
看護婦は、なるべく静かにして下さいね、ともう一度釘を刺すと自分の仕事に戻って行った。
「あなた達のせいじゃないわ……それを言うなら、あの場を離れた私にも責任があるわよ……私はプリキーのプロデューサーなんだから」
「うぐっ……じむらざんは……わるぐないでず……ひっ」
「ぞーでずうう!わるいのば、ばだじだぢです――!」
桃子とマイカは泣きながら何故か志村の首をしめた。
「ぐほっ……げほっ……ぐぐっ」
志村はひきつる笑顔で二人の手をどうにか退ける。