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eyes to me~ 私を見て
第44章 デビュー前夜
真理は、美名の傍でいつの間にか眠っていた。
「ふ、ふふぶえーくしょいっ!」
盛大なクシャミをして目覚めた。由清がかけてくれたのか、タオルケットが肩まで被さっている。
ソファに凭れて座ったままでいたせいか、体が痛む。
「ふああ……美名をベッドに運んで……俺がここで寝ようか……いや起こしたら可哀想だし……
ううむ……」
欠伸をしながらブツブツ言っていたら、美名の唇が僅かに動いた。
「……さん……つよし……さん」
「……」
思わず真理はその手を握った。
すると強く握り返してきて、譫言が次第に大きくなる。
「剛さ……来ちゃ……だめ……だめ……あ……ああああっ!」
「――美名っ!」
真理は、うなされる美名を抱きしめた。