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eyes to me~ 私を見て
第45章 波乱のミュージックスタイル

「スターシュガーファッションにグリーンティースペシャル、とろけるスノーホイップにブラックブラックドーナッツを……う――――ん。十個ずつ下さいな!」
『デリシャス・ドーナッツ』のカウンターでペコこと芝原七海が大量の注文をすると、いかにも不慣れそうな若い男性店員が顔を僅かにひきつらせて笑った。
「は、はいっ……お待ちください……てっ……店長、助けて下さい」
奥へ引っ込むと、丸い顔の店長を呼んできて二人で目を三角にしながらドーナッツを包み始めた。
ペコは鼻唄を歌いながら上機嫌だが、横で堺が呆れている。
「ペコチーフ……買いすぎでは?」
「あら、差し入れよ差し入れ!
まさかこのわたくしが全部食べるとでも思ってたの?
んも――堺ちゃんったら!」
「ぐっほっ」
ペコにバシバシ背中を叩かれて堺は噎せた。

