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第8章 もっと狂おしく

手狭な空間に溢れんばかりに商品が陳列されていて、こちらもその間を人がすれ違うのはやっとなのだが、この狭い場所にいるのはなにも海老原達だけではなく幾つものカップルがいる。

でも先程のショッピングセンターとは違い、全員が同じ意図でここにいるから別に真横や真後ろに他人がいても恥ずかしいとかイヤだとは思わなかった。

むしろよく昼の日中からこんなところにいるなぁと同輩達に感心していた。

そしてどのカップルも同じで、女は自分が着るかもしれないコスチュームをキャッキャ言いながら探して他の人には目もくれないが、男達は自分の連れに相づちを打つなど相手をしながら、その実、辺りに目を配らせては他の男が連れている女を値踏みして自分の女と比較していた。

海老原にしてみれば、麻由美はこの中では明らかに年齢的は上に劣っているものの、肝心の美人度の見た目は一番で色気も断トツだと判断して悦に浸っていた。