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タンバリンでできたオーロラ
第8章 魔砲兵姫ニミット2
(ああ、皆……ごめんなさい。私、この国を守れなかった……)
魔物たちの兵団に取り囲まれ、不安におののく群衆は、ニミットの眼前に突きつけられた非情なる敗北の事実だった。
「許さない……必ず復讐してやるわ。憶えていなさい!」
だが、その叫びは虚しい。復讐の機会などあるのか。そのまま処刑されてしまうのではないか。ニミットも群衆もこのあとに起きるであろう悲劇を思い浮かべられぬわけがなかった。
「見苦しいぞ、ニミット・エルフィーン……敗将は敗将らしく潔くしたらどうだ」
「くっ……」
「これからひとつお前に誓約をしてもらう」