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タンバリンでできたオーロラ
第17章 運命
だから、そんな私がスリに出逢ったのも運命で、運命だからこそ私は恋に落ちた。
スリ。
職業のスリとは違う。
正しくは「数理」。こう書く。
名前のイメージ通り、頭の良さそうなメガネ男子だ。
普段はもの静かで、めったに口を開かない。
たまに何か言う時も大人しい口調でボソッと一言。
そんなタイプだ。
でも、引っ込み思案だったり、モジモジした所は全然なくて、じっと黙って観察して、核心を突く言葉が自分の中に出来上がってから口にする、そんな感じ。
そこが物凄く大人っぽくてカッコイイ。
惚れた欲目というヤツかもしらんけどね。