この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
タンバリンでできたオーロラ
第21章 女の帝国 ~堕とされし将軍 奴隷狩りのラーナ~
周囲に生い茂る熱帯植物の葉を叩く激しい雨。
スコールの轟音に埋没するようにして、揃いのマントの一団がジャングルに潜んでいた。
じっと息を潜め、雨音の変化を待っている。水滴の滴るフードに目深から窺う視線の先には小さな集落があった。
「抜刀……」
指揮官の低い声に皆、無言で腰に下げた剣を抜く。
これもまた揃いの形状。辺境の民の間で悪名高きフィメスの軍刀だった。
――ふと、
出し抜けにスコールが止んだ。これを待っていた。