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タンバリンでできたオーロラ
第25章 愛女神28

インドの首相は緊急会見を開き、本件に関して無関係であることを表明……って、そうだわな。
むしろウチラがやりましたとか言われたら恐い。
そんぐらいビビッたもん、あの女神の姿。
暴力の化身だ。女なのに。
カッと開いた血の色の口からダラリと長い舌を垂らす。上唇の下からは二本の牙。もうね、ドラキュラ伯爵を先どりすること紀元前だよ。
これが老舗かっていうね。
あんなんが、政府とか軍にコントロールされて攻め込みましたとか、超恐い。まあ、亡くなった人民解放軍の罪なき兵隊さんたち(と、ブータンの大臣)はカワイソーだし、振り上げたこぶしを叩きつける場所を失くした中国共産党のエライ人たちには気の毒だけど。
ところがどっこい、さすが中国。
インドの言い分なんか聞く耳持たぬってなもんで、ミサイル撃ちやがった。国連勧告も間に合わぬ電光石火の早業で、核攻撃。
さすがは常連理事国。
独断と専横はアメリカだけのお家芸じゃなかったか。
そこに暮らす少数民族に避難する暇も与えずドッカーン。

