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タンバリンでできたオーロラ
第32章 頭取 権俵金蔵

「ほ……本気でおっしゃっているんですか……」
「お前、融資して欲しいってのは本気じゃないっていうのかよ?」
権俵が下衆だというのは、こういうセリフを口にして実に板についている所である。
どうしていいのかわからず固まってしまう美木本。
黙ったままでいると、観念したかのような表情となって、膝の上に置いていた鞄をソファに置き去りにして立ち上がり、権俵の前に進み出る。
その間1分。
安いな、と権俵は思う。
どんな奴でもたいていこうだ。一生懸命喋くった時間よりも、しゃぶれと言われてためらう時間の方が短い。圧倒的に。
人間のそういうあさましい本性に権俵は最高に興奮を覚えるのだ。
スツーのズボンの下でぐうっと一物が隆起する。

